新技術紹介

応用地質株式会社 コアラボ試験センター

外観写真1
外観写真2

外観写真等

取材日時 平成24年 7月20日(金)10:00~12:00
取材場所 〒331-0812 埼玉県さいたま市北区宮原町1-66-2
電話 048-663-8611(代表)
FAX 048-660-1570
ホームページ http://www.oyo.co.jp/
出席者 応用地質㈱コアラボ試験センター:和田健一,上堂薗四男,持田文弘(敬称略)
斜面防災対策技術協会ホームページ委員会:大河原彰,井上宏,原 弘,沓澤武

1. 全般

質問1:コアラボの沿革について教えてください。

1992年2月に関東圏にある4つの室内試験関係の組織・設備を集約し,岩や土あるいは水の性質を総合的に試験・研究できる施設としてコアラボを開設しました。

その後,2002年に全国の主要事業所に設置していた試験室を統廃合(3拠点化)し,さらに2004年に試験に特化したコアラボ試験センターとして3拠点(さいたま,大阪,新潟)を組織統合しています。

質問2:会社の中でのコアラボの位置づけについてお聞かせください?

回答2:

組織上はエンジニアリング本部に属し,全社の試験実務やコンサル部門と連携した物性評価および特殊試験装置の開発を行っています。

質問3:どのような分野の試験,物性評価を行っていますか?

回答3:

土質物性,岩盤(軟岩・岩石)物性を始め,エネルギー関連の地盤物性,土壌汚染や自然由来の重金属問題に関連した水や土壌の化学分析を行っています。

質問4:コアラボの特徴があれば教えてください?

回答4:

・試験の品質を確保するため,試料は恒温恒湿室に保管しています。また,湿度管理が必要な試験は恒温室で実施しています。

・実験スペースには任意の位置に機器を配備できるように,要所に圧縮空気と真空,さらには炭酸ガスの取り出し口を設けています。

・毎年,多くの大学生をインターンシップとして受け入れています。また,依頼により社外技術者の試験研修や社内の教育研修を行っています。

・この建物内に地盤解析部も在籍しており,解析技術者と連携して物性評価や試験方法を検討しています。

質問5:斜面防災技術に関連する技術・研究を教えて下さい?

回答5:

①X線透過写真撮影装置を活用した地すべり面の特定と,そのすべり面を対象とした繰返し一面せん断試験による物性値評価技術,②土の不飽和特性(水分特性や不飽和透水係数)を迅速に得るための試験装置の開発,③X線回折,粘土鉱物の分析などを行っています。

質問6:成果を発表する場合どのようなところで行いますか?

回答6:

業務や研究で得られた成果は,関連する諸学会(地盤工学会,土木学会,地すべり学会,廃棄物学会など)で行っています。また,まとまった成果は応用地質年報に収録して,お伝えしています。

質問7:他の研究機関との共同研究について教えてください?

回答7:

大学や公的機関との共同研究も行っています。

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2. 特徴ある試験について

質問1:最近開発した試験や特殊な試験はありますか?

回答1:

・不飽和土の保水性試験,透水試験

・自然由来の重金属の溶出特性試験や含有量の迅速分析

・揮発性有機塩素系化合物(VOCs)のバイオ浄化技術

・メタンハイドレードの物性研究(弾性波トモグラフィー関連計測系の開発,評価)

・岩石への二酸化炭素(CO2)浸透特性試験

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3. 所有施設について

質問1:どのような試験施設がありますか?

回答1:

コアラボ本体には,土質・軟岩・岩石・化学分析の各種試験を行う設備が配備されており,稼働しています。また,新潟ラボには土質・軟岩・岩石の各種試験を行う設備が,大阪ラボには土質試験を行う設備が配備され稼働しています。

質問1:対外的な利用は可能ですか?

回答1:

共同研究や業務委託の形式で利用することは可能です。

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4. 最後に

質問1:斜面防災対策技術協会のホームページを見たことはありますか?

回答1:

拝見いたしました。協会の活動状況や技術情報などがわかり易い見出しで掲載されていると思います。

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5. 取材後記

大宮駅からニューシャトルに乗り換えて2駅目(加茂宮駅)の住宅街を少し歩くと今回訪問いたしました応用地質(株)コアラボ試験センターがあります。

コアラボ試験センターは、社内外に関わらず様々な業務としての各種試験をこなしている施設として、会員各社においては日常業務でもお世話になっている方々も多いと思います。
研究機関というより実務機関というイメージでしょうか。そういった先入観で訪問しましたが、確かに各種土質試験機、大型載荷装置などなど馴染みのある試験装置がズラリと配置されています。
しかしながら現場の特殊条件や、一般的とは言えないような実験目的にあわせた試験方法について相談を受けたり、そのための試験装置の改良などの様子を解説していただきました。
場合によっては試験方法の検討で現場に出向いてくれることも有るようです。
地質情報を得るための頼もしい助っ人といった印象でした、というと砕けすぎでしょうか。

最後に、非常にお忙しい中施設内を丁寧に案内して頂いたことに謝意を記すとともに、
業界の技術力向上に貢献していただけるよう期待しながら、編集後記を締めさせて頂きます。
ありがとうございました。(文責:T.K)

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6. 取材写真

写真1:ズラリ並んだ圧密試験機

写真1:ズラリ並んだ圧密試験機

写真2:三軸圧縮試験機

写真2:三軸圧縮試験機

写真3:液状化判定用三軸圧縮試験機

写真3:液状化判定用三軸圧縮試験機

写真4:不飽和土試験装置(保水性・透水性)

写真4:不飽和土試験装置(保水性・透水性)

写真5:ボーリングコアのX線撮影

写真5:ボーリングコアのX線撮影

写真6:X線写真によるすべり面判定

写真6:X線写真によるすべり面判定

写真7:一面せん断試験機

写真8:吸着材評価のためのカラム試験

写真8:吸着材評価のためのカラム試験

写真9:大型三軸試験装置(2,000kN)

写真10:取材風景

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