国土交通省所管
富山県
北山地区地すべりは、魚津市街地から南東方向へ約6kmにあって、中央部を二級河川富川が北西方向に流下している。その富川沿いには、一般県道坪野湯上線が通っている。
北山地区は、平成元年度に旧坪野小学校(現在は廃校で更地)の北側斜面で崩壊が発生したため、同年から平成4年度にかけて周辺一帯の地表調査が行われ、A~K計11のブロックが認められた。この結果をもとに、平成5年度に地すべり防止区域の指定を受け、現在まで詳細調査および対策が行われている。
指定地内には富川が南東から北西へと流下しており、地すべり地を北部ブロックと南部ブロックとに二分している。
北部ブロックはやや急な斜面となっているのに対して、南部ブロックは中央部にやや広い平坦面を持った規模の大きい地すべりブロックを形成している。北部ブロックは西~西南西の方向に、南部ブロックは北~北西方向へそれぞれ移動して、富川によって侵食された急崖へと向かうような形状となっている。
最も大きな被害としては、平成7年7月11日の豪雨時に、G2ブロック末端にある民家裏の斜面が滑動して、約200m3の土砂が家屋に押し寄せて家屋が半壊した。これと同時にFブロック末端斜面も滑動した。また、Aブロックでは、平成8年度にブロック中央部を流れる沢沿いに小崩壊が多発していることが確認された。