口絵写真および地すべり概要
熊池(くまいけ)地すべり(林野庁所管)
<地すべり概要>
○位置:群馬県吾妻郡嬬恋村大字干俣(ほしまた)地内
○地質概要
地内の地質は,新第三紀の安山岩,火山砕屑岩,砂岩泥岩互層とそれを覆う第四紀安山岩溶岩,崩積土によって構成される。新第三紀の安山岩は大きく2つに分けられ,下位の変質安山岩と上位の弱変質安山岩の間には火山砕屑岩が挾在する。この火山砕屑岩の岩相は地域によって若干異なり,また砂岩泥岩互層が分布している場合も認められる。
○地すべり概要
熊池地すべりは平成13年9月9日から11日の台風13号に伴う豪雨による地盤のゆるみと地下水位の上昇に加え,9月16日の30mmの降雨によって18日午後3時頃,中腹斜面の約20haに及ぶ範囲が一気に滑落して発生した。流出した土砂の末端は下流の池を埋めるとともに,池の下流約500mに位置する本白根沢にまで達している。
滑落崖の上部では,万座地区の生活道路となっている万座ハイウェーに約200mにわたって亀裂・陥没等の現象が現れており,退行性地すべりの様相を呈している。
地すべりの大きさは,幅260m,長さ250m,最大すべり面深度46mで,中腹部および末端部には豊富な湧水が認められ移動土塊上に新しい沢が形成されている。
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