農村振興局所管        天狗森(てんぐもり)地すべり 山形県
地すべりの概要

1.地すべり地の概要

本地すべりは、山形市から国道112号線沿いに約80kmの所に位置する。地すべり災害の発生は平成4年4月3日で、日本海低気圧に向かって暖気流が流れ込み気温が上昇し一気に融雪が進んだことによる。本地すべり地の上部には、通称“天狗沼”と呼ばれるため池が存在し、地すべりの拡大が懸念された。

2.地形概要
古い地すべり地形が農地及び渓岸沿いの地形面で観察され、滑落崖、亀裂、湧水が各所で生じており、それぞれ規模が異なった地すべり地形がいくつか見られた。

3.地質概要

不動層は凝灰岩、移動層は崩積土層・風化凝灰岩である。

4.地すべり状況
地すべりの主体はaブロックで特に被害が大きかったのはa−(1)、a−(2)ブロックである。
 a−(1)ブロック・・・幅50〜60m、長さ170mで、頭部に高さ5〜6m程度の明瞭な滑落崖を形成
 a−(2)ブロック・・・幅40〜50m、長さ60mで、a−@ブロックと交差するような形状

5.地すべり発生機構
素因:
移動土塊が透水性良好であったのに対し、不動土塊が透水性に乏しく、不透水性の岩盤の形成が関与していた。
誘因:
融雪後に地下水が浸透し、すべり面の間隙水圧が上昇することである。

6.地すべり対策工事

上部に溜池が存在していることもあって、早急に対策工を行うことが望まれた。
地すべりの特徴
地質断面図
調査ボーリング結果
対策工一覧表