構造改善局所管 中岫地すべり(なかぬき) | 山形県 |
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地すべりの概要 1.地すべり地の概要 本地区は、山形県のほぼ中央部にあたる西川町の南東部に位置する。 昭和59年3月12日地すべり防止区域(指定面積39.75ha)に指定される。 2.地形概要 標高400〜500mの丘陵性低山地になっており、水田や畑地として利用されている。 地区中央を南北〜北東南西方向に原沢が流下し両岸は25〜30°、比高5〜10mのやや急斜面になっている。この上方は5〜10°の緩傾斜地になっている。さらに上方には、頭部滑落崖を形作る急斜面が地区を取り囲むように連続する。 3.地質概要 新第三紀中新世の泥岩および凝灰岩が広く分布する。凝灰岩は細粒で粘土化しており、膨潤性を示すものがある。地質構造として、原沢とほぼ平行して背斜軸が存在すると考えられる。 4.地すべり状況 地形的に明瞭にブロック区分されているが、大きな地すべり活動は記録されていない。地すべりブロックは大きくA〜Dの4つのブロックに区分される。 5.地すべり発生機構 素因: 軟質な凝灰岩層を挟む泥岩が分布していること。A・Cブロックのある左岸側ではブロック末端部で流れ盤となっている。B・Dブロックのある右岸側では受け盤になっている。頭部に断層破砕帯と考えられるリニアメントが存在する。 誘因: 融雪期や豪雨時の河川水の増加によるブロック末端部の侵食、および間隙水圧の増大があげられる。 6.地すべり対策工事 末端の小ブロックに対しては床固工による堆砂効果も考慮し、計画安全率はFs=1.20とした。全体の大きな地すべりに対してはFs=1.10としている。 |
地すべりの特徴 周辺地質図 地すべり模式断面図 Aブロック対策工縦断図 防止工施工実施数量 |