国土交通省所管     垣の内地区地すべり    島根県 

平面図

「地すべり技術」掲載号:Vol.29、No.2(2002年11月、通巻86号)
1. 地すべり概要
 平成7年7月の集中豪雨により、島根半島を中心に多くの地すべり災害が発生し、当垣の内地区も、町道の崩壊、民家の全壊および構造物の半壊等多数の被害が認められた。
 地すべりの規模は、長さ250m、幅100m、移動層厚は20m程度で、主測線は中央部で西側から南方向に折れる。

2.地質概要
 本地区は、新生代新第三紀中新世の牛切層を基盤とし、第三紀中新世の閃緑岩がシート状に貫入している。これらの基盤を第四紀完新世の崖錐性堆積物が覆っている。
 このうち特筆する点は、すべり層の大部分を占める閃緑岩が深部まで風化し、シルト〜砂状を呈していること、地質構造的には西向き斜面で、低角度(約5°)の流れ盤構造になっていることである。

3.素因・誘因
  素因:流れ盤の地質構造、強風化を受け脆弱化した閃緑岩
  誘因:集中豪雨による間隙水圧増加

4.地すべり対策工事概要
  集水井、杭工、擁壁工、水路工

地すべりの特徴
  (1) 断面図