地すべりの概要
1.地すべりの概要
琵琶湖の西岸の大津市雄琴苗鹿町串林の志賀丘陵地の東縁の谷頭部に溌生した地すべりである。元来軟弱な谷床堆積物が存在している場所へ、地山を切って約3,000m3の盛土を行なった1967年6月22日に突如として発生したもので、それまでは全く土塊活動の兆候は認められていなかった。
原因の一つとして谷床堆積物層の中にあった浅層地下水流派が、盛土によって圧閉され、背後に多量の地下水が貯留し、そのために谷床堆積物と盛土は不安定となり活動を開始した。丁度地すべり地の北側に走っていた市の水道管(Φ20cm 2本)がこのために破壊され、その水道水が土魂中に浸透し不安定化は促進され、ついに急激な滑動を起こしたものと推測されている。
2.地形・地質概要
地質的には地すべり地周辺に分布する古琵琶湖層に属するシルト質粘土層を基盤とし、その上に堆積した軟弱な谷床堆積物が滑動している。
すべり面はシルト質粘土層を基盤とし、その上に載るN値2-3の軟弱なシルト層(谷床堆積物)中に存在している。この層は粘土鉱物分析結果によると、他の深度よりも著しくモンモリロナイトに富んでいることが示されている。
3.素因・誘因
(1)素因:軟弱な谷床堆積物、集水地形
(2)誘因:盛土による浸透水貯留
水道管破損による浸透水の増加
4.対策工
杭工,集水井工
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