農村振興局所管 犬頭2期地区地すべり | 佐賀県 |
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地すべりの概要
1.地すべりの概要 昭和41年に地すべり防止区域の指定を受け、その後昭和46年度にかけて地すべり対策事業が行われてきた。しかし近年、地すべり滑動が顕在化してきたことを受け、平成10年度に犬頭2期地区として採択された。
2.地形概要 東松浦半島基部の西縁に位置し、日比水道に面した海岸沿いに立地している。海岸部から標高約70m地点までは5〜10゜の緩斜面を形成し、水田や牧草地に利用されている。標高70m地点には平坦面が形成され、犬頭集落が立地している。 3.地質概要 古第三系〜新第三系の堆積岩類を新第三系の玄武岩類が覆っている。堆積岩類は、中新統佐世保層群の柚木層上部、世知原層に属する。玄武岩類は「松浦玄武岩類」と呼ばれる、溶岩及び火砕岩からなる地層であり、キャップロック構造をなしている。 4.地すべり機構 本地区では、「風化岩すべり」と「崩積土、粘質土すべり」が見られる。 [素因] ・棚田地形(乾痕の亀裂が雨水流入を助長) ・キャップロック構造をなし、地下水を貯留しやすい [誘因] ・経年の継続的な降雨による地下水位の上昇と、それによる移動層の土塊重量が増加する。 ・地下水位が上昇することにより、すべり面付近の間隙水圧が上昇して、すべり面のせん断抵抗力が低下する。 5.対策工 抑制工として集水井工、横孔ボーリング工、抑止工として抑止杭工が採用され、これらを併用した対策工が行われている(対策工施工平面図)。防止工事の施工は平成11年度から18年度にかけて行われている。防止工事完了後、地すべり変動はなく、安全率も計画を満足していることから、概成と判断されている(安定解析結果図)。 |