沖縄県所管 仲順(ちゅんじゅん)地すべり | 沖縄県 |
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地すべりの概要 1.地すべりの概要 当地区は、沖縄県那覇市の北東約15kmに位置する。地すべりは、平成10年10月5日に、幅約130m、長さ約160mの範囲で発生し、隣接斜面でも多数の地すべりが誘発された。最大規模の地すべりの「主ブロック」を含めて、合計5箇所で地すべりが滑動した。前日の10月4日には、沖縄地方気象台が統計を取り始めて以来、最も多い日降雨量353mm/日を記録していた。この地すべり滑動で、民家1件が全壊、民家2件が半壊、北中城村立公民館施設の一部が破壊し、隣接する社会福祉センター施設まで、土塊が迫っていた。 2.地形・地質概要 当地区は、新第三紀の島尻泥岩と、その上位には石灰岩が分布し、キャップロック構造を呈する。地すべり地は、島尻泥岩分布域で発生した。島尻泥岩は、大気に曝されたり、地下水・地表水と接触するとスレーキングで粘土化したり、吸水膨潤により強度低下する特徴を持つ。また、初生的な数多くの断層・破砕帯等の弱線が地山に存在する。この様な地形・地質条件のもとで、地すべりが発生した。 3.素因・誘因 (1)素因:風化により著しく強度低下を起こした島尻泥岩が分布 (2)誘因:平成10年10月4日の353mm/日の降雨を原因とする地下水間隙水圧の急上昇 4.対策工 (計画) ・主ブロック:鋼管杭工及び横ボーリング工・地表排水路工 ・小ブロック:アンカー付鋼管杭工・横ボーリング工・地表排水路工 ・側方ブロック1の上部すべり:受圧板アンカー工・横ボーリング工・地表排水路工 ・側方ブロック1の下部すべり:受圧板アンカー工・横ボーリング工・地表排水路工 ・側方ブロック2:受圧板アンカー工・横ボーリング工・地表排水路工 ・頭部滑落崖面:法枠アンカー工・法枠工 ・村道復旧工 |
地すべりの特徴 写真1:被災直後の頭部滑落崖面 図3:側方ブロック1対策工計画断面図 写真2:対策工事終了後の頭部滑落崖面 |