国土交通省 所管     小泊地すべり 新潟県
                
                           
    
             

      位置図 

       

小泊地すべり地被害状況 (西田彰一,1982)               
                         引用文献:西田彰一(1982):小泊,アーバンクボタNo.20潟Nボタ

地すべりの概要

1.地すべりの概要
 昭和38年3月16日午後4時20 分頃,新潟県西頸城郡小泊部落の裏山から地すべりが発生した。地すべり土塊は,国道8号線沿いに密集している民家を幅110m にわたって押し潰し海中へ流出した。小泊地すべりが有名になったのは,当時,旧北陸本線を走っていた客車の蒸気機関車が,丁度トンネルを通り抜けたところで地すべりにぶつかり,泥流にのって沖合まで流し出されたという珍しい災害であったためである。地すべりの規模は,延長 370m,幅100〜170mであった。

2.地形・地質概要
 名立層と呼ばれる新第三紀鮮新世の地層からなり,灰色シルト岩を主体とするが,漁港の小泊から能生海岸へかけての屈曲に富む海浜には,複輝石安山岩の自破砕溶岩と同質の角礫凝灰岩などを不規則に挟むところがあり,それらの岩体は,権現崎や島崎といった岬や岩礁をつくっている。
 滑落崖の上には比較的平坦な地形が発達しており,段丘面のように見える。この急な崖の白色凝灰岩がブロック状に割れて崩れ落ち,下の灰色シルト岩の風化物である粘性土と混じり合って崩積土層となり,崖下の斜面を覆っていたのが小泊地すべり発生前の時点で推定される地質断面である。

3.素因・誘因
(1)素因:>崩積土層と厚く分布したシルト岩風化帯との境界付近に存在するクリープ帯。流れ盤構造
(2)誘因: 融雪水
       
4.対策工
 排土工ほか

地すべりの特徴
 小泊地すべり地周辺の地質分布図
 小泊地すべりの発達模式図