長野県農政部所管 涌池(わくいけ) | 長野県 |
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地すべりの概要 1. 地すべりの地概要 涌池地すべりは、長野市信更町にあり、長野県北部を流れる犀川沿い位置する。 地すべりの歴史は、弘化4年(1847年)に発生した善光寺地震までさかのぼる。ここで紹介する地すべりは、昭和年になり山腹の一部に亀裂が生じ、平成 年に災害関連緊急地すべり対策事業が行われ、現在に至っている。なお、昭和61 年に地すべり防止区域に指定された。 2.地形概要 涌池地すべりは、長野市信更町にあり、長野県北部を流れる犀川沿い位置する。 3.地質概要 新第三紀鮮新世の柵(しがらみ)層に相当する地層が分布する。柵層は、城下砂岩礫岩層とこれに挟まれる久米路火砕岩部層から構成される。そして、涌池地区は南東部にある神田背斜の影響を受け、地層の走向は北東−南西方向、傾斜は南東である。 4.地すべり状況 平成6年2月14日に発生した地すべりは、延長150 m、幅100m、深度14mで、移動土塊の土量は30,000m3と推定される。地すべり土塊は、斜面中腹にあった農地・林地・市道・上水ポンプ室などを埋没・破壊し、一部は泥流化して農業用溜池の涌池の直前まで押し出した。その後、3 月6日には斜面上部において崩落が発生した。 設置された伸縮計の移動速度は、3月6 日に最大である17.4mm/hを記録した。 5.地すべり発生機構 ●素因:地すべり地を構成する柵層は、地質時代が比較的新しいため固結度が低く、加えて激しい褶曲作用により岩自体の強度が低下している。 ●誘因:斜面に大量の融雪水が供給され、斜面が不安定化し地すべりが発生した。 6.地すべり対策工事 対策工事は、昭和61年度から行われている。その後、平成11 年度をもって計画された対策工事は完了し、同年には概成になった。その後、地すべり発生の報告はない。 |
地すべりの特徴 涌池地区平面図 涌池地区断面図 涌池地区地すべり対策事業実施状況 |