農林水産省 所管    牧内地すべり

長野県

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


               被災状況
                    白く光って見えるのは噴出した地下水と
                    連日の降雨による水たまり

        

「長野県の地すべり〜地すべり等防止法の制定から50年の歩み〜」

平成213月 長野県建設部砂防課

地すべりの概要

1.地すべり地の概要

 旧埴科郡松代町牧内地区上ノ山地籍で幅150m、長さ230mにわたり地すべりが発生し、約23m3の土砂が押し出された。松代群発地震により松代町では多くの地割れの発生や大量の地下水が噴出していた。この地すべり地では、地すべり発生の数日前から地割れ、湧水などの兆候が確認され、降雨も続いていた。

 この地すべりにより住宅6棟(5世帯)と蚕室5棟が全壊、桑園3haが埋没した。以前は桑園が広がっていた場所は、地すべり後、リンゴやブドウなどの果樹園へと変わった。

 

2.       地形地質概要

 地質は、崩積土と基盤岩である閃緑岩である。地震により液状化現象や塩素分を大量に含んだ地下水が噴出していた。

 

3.       地すべり発生機構

 地震に伴い、基盤岩である閃緑岩と崩積土の境界に沿って地下水が上昇し、その圧力により発生したと考えられる。

 

4.       対策工

 横孔ボーリング工、承水路工、集水井工、土止工等

 

地すべりの特徴

滑落崖に施工された井桁ブロック

炭酸ガスで飽和した塩分の多い湧水

松代群発地震により発生(昭和419月)

地すべりにより倒壊した家屋