兵庫県 所管 福知(ふくち)地すべり | 兵庫県 |
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地すべりの概要 1.地すべり地の概要 福知地すべりは、兵庫県宍粟郡一宮町に位置する。地すべりは1976年(昭和51年)9月13日に発生した。発生前には台風17号により累積雨量は550mmに達していた。 2.地形概要 地すべり発生前の地形図を見ると、北西に開いた谷地形を形成している。武居(1982)では、典型的な多重スランプを示す地すべり地形であるとされている。当地付近に「抜け山」という地名が付けられていることからも、斜面変動の履歴があったらしいことがわかる。 3.地質概要 地すべり地の上部に生野層群の凝灰岩、下半部の北西側には夜久野複合岩類の変花崗岩および舞鶴層群の粘板岩、下半部の南西側には花崗岩が分布する。各々の岩体は、主として断層関係で接していて、地すべりの中軸に沿うように、北西‐南東方向にのびる主断層が認められる。 生野累層の凝灰岩と花崗岩類は深部まで風化が進行している。 4.地すべり状況 発生当日の午前6時ごろには小規模の崩壊が発生し、午前7時20分ごろから地すべり脚部の北西部に小規模の崩壊が始まる。午前9時20分ごろからはいっきにすべりの範囲を拡大させ、大崩壊へと移行した。地すべり土隗は約10分間で、600mの距離を移動したとみられる 5.地すべり発生機構 素因:生野累層の強風化帯が斜面に沿って分布する。 誘因:トレーサー調査により地下水の顕著な流路が存在することを確認した。 |
地すべりの特徴 福知地すべり地周辺の地質図 福知地すべり地の地下水流動経路 |