国土交通省 所管 灘地野(なだちの)地すべり | 兵庫県 |
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地すべりの概要 1. 地すべりの概要 灘地野(なだちの)地すべりは、淡路島南縁部、洲本市より南西約20km、県道76号の南側に位置する(地すべり全景写真)。本地域一帯は、中央構造線に沿う破砕帯地すべり地帯に該当し、近隣に複数の地すべり区域が存在する。当地区は、昭和41年に台風に伴う大規模な活動後、翌年に地すべり防止地域に指定された(19.2ha)。平成4年度より離島地すべり対策事業として、本格的な調査・対策工に着手した。地区北端尾根部の ENE-WSW系の断層に規制されたもので、この断層に沿った大ブロックとこれに包含された中小ブロックに区分される(地すべり平面図)。平成6年度の全体計画の見直しがなされ、大ブロック深層すべりと浅層すべりとに区分し、地下水排除工の計画・施工を経て、平成12年度に概成判定に至った。 2.地形・地質概要 灘地野地区は、諭鶴羽(ゆづるは)山の南側脚部斜面として位置づけられ、平均勾配15〜30°の集水〜直線斜面をなす。斜面は、頭部付近の断層崖、ケルンコル、ケルンバットの発達、陥没帯、中腹の段丘地形、末端付近の海食崖、崩壊急傾斜地形に特徴づけられる。構成する地質は、中央構造線の北側に沿って分布する海成上部白亜系の和泉層群上部亜層群下灘砂岩層が主体を占め、一部で下位層の中部亜層北阿万(きたあま)塁層が分布している。地層構造は全体として、東西あるいは北東−南西走向で16〜20°の南あるいは南東傾斜である。地層は大部分が砂岩、頁岩、礫岩により構成される。また、断層系は 系が卓越しており、上部亜層群と中部亜層群がほぼ南北に境している。これは中央構造線の造構運動に伴う随伴断層で、付近の地層は破砕が著しい。 3.すべり状況 4.すべり機構 (Iブロック)冠頂部に長大な滑落崖があり、過去における大規模な変動がうかがわれる。すべり面は砂岩〜頁岩風化破砕部に位置し、最深部では40m を超える大規模岩盤地すべりである。 素因:断層・破砕帯による岩盤の脆弱化と断層に規制された豊富な地下水の包蔵。 誘因:雨による過剰な地下水供給、末端部海食・崩壊による応力の開放、長年に亘る活断層による地盤運動(微量) 5.対策工事 ・ 計画安全率PFs =1.10。・大ブロック対応として抑制工、中小ブロックへの効果期待。・集水井+集排水ボーリング工・集水井15基、計画安全率を達成。 |
地すべりの特徴 地すべり平面図 |