林野庁 所管 水山(みずやま)地すべり | 兵庫県 |
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地すべりの概要 1. 地すべりの概要 ・水山地すべりは美方郡村岡町山田字作ボウキ地内にあって、山田集落西南1.5km上流の山田川支流水山谷川左岸部に位置し、標高260〜380mの北向き斜面中腹にあたる。 ・昭和初期から不等沈下・崩壊・地すべりの諸現象が言い伝えられており、千枚田の様相を呈するなど、常時クリープ的な滑動が継続していた。 ・ 平成10年2月中旬に水山谷川の濁りが続いていたことを受け、現地踏査の結果、長さ260m、幅150m、面積2.5ha(A、B、Cブロック)の範囲に及ぶ地すべりの発生と末端部からの多量の土砂流出が確認された(「地すべりブロック図」参照)。 2.地形・地質概要 ・ 中国山地東端に位置し、付近には三川山(標高887.8m)、蘇武岳(標高1,074.4m)が連なり、急峻な山地地形を呈する。 ・地形的特長として、北西方向と東北方向のリニアメントの存在と、随所に発達する大規模な旧期崩壊性地すべり地形があげられ、両者は密接に関連する。 ・新第三紀中新世北但馬郡八鹿塁層に属するデイサイト質火砕岩を玄武岩〜玄武岩質安山岩類が覆っている。デイサイト質火砕岩は細かいクラックと破砕化・熱水変質を受けている。 ・地すべりブロックの西部を規制する北西〜南東系(F1)断層と冠頂部及ぶ中央部を横断する東北東〜西南西系(F2)断層に大きく分けられる。 3.素因・誘因 ・素因 (1)地すべりブロックの斜面は比較的平坦で(20〜25°)地表面は凹凸があり旧地すべり地形を呈していること。 (2)基盤岩(デイサイト質火砕岩)は破砕帯や熱水変質等の影響で粘土化する脆弱な地層であること。 (3)2系統の断層が地すべりブロックの側方と冠頂部に位置すること。 (4)地下水を供給するF2、F1断層の存在。 (5)地下水を堰き止め、貯留するF2断層。 ・誘因 (1)地すべり発見(平成10年2月)の前年の「9月豪雨」。 (2)地すべり地上流1.8km地点で、17日間で599mm、日最大降水量138mm。 4.対策工(「地すべり対策工平面図」、「地すべり対策工断面図」参照) ・誘因である間隙水圧を低減する抑制工として、地下水排除工を立案している。 ・すべり面が最大40mと深く、深部の地下水を排除するため集水井を採用する。 |
地すべりの特徴 地すべり対策平面図 地すべり対策工断面図(Bブロック) 防止工事数量(A,B,Cブロック) |