国土交通省 所管 大利地すべり(おおり)
| 福島県 |
|
地すべりの概要 1. 地すべりの概要 当地区は、いわき市の北西約8kmの国道49号沿いに位置する、閼伽井(あかい)岳(標高605m)南山麓の傾斜約10°緩傾斜台地状斜面である。変動の記録は大正9年の変動の記録があり,現在のEブロック付近で、幅約600m、長さ約1000m、頭部滑落崖の高さ約18mに達するものであった。その後、昭和15〜16年と昭和33年に地すべり変動が認められた。昭和33年の活動は国道49号改良工事中にEブロック末端部で国道の路床隆起等が認められた。昭和34年には地すべり防止区域(121.2ha、A〜Hブロックの8ブロック)に指定された。 2.地形・地質概要 当地区は、花崗岩類を主体とする阿武隈山地東縁と第三系からなる丘陵地の境界付近に位置する。閼伽井(あかい)岳(標高605m)南山麓は35〜50°の急崖をなし、その下部にある地すべり地とは明瞭な地形変換部が認められる。これは、「日本の活断層」(1999)によると赤井断層に相当し,その走向・傾斜はN70°W60°Sで北側が380m隆起した正断層である。基盤地質は、東側に約10°傾斜した流れ盤構造を呈する古第三系(砂岩・礫岩、炭層を挟在)で、斑レイ岩岩塊や礫を多量に含む粘性土からなる崖錐層が厚く(最大80m)覆っている。 3.素因・誘因 (1)素因:@赤井断層の分布、A流れ盤構造 (2)誘因:梅雨、台風時期における降雨に起因する間隙水圧の上昇 4.対策工 ・A〜Cブロック:昭和63年に再活動したため、災害復旧事業により追加対策を実施する。 ・Eブロック:ブロック内のE1、E2、E3ブロックは対策済、E5ブロックは機構解析,対策工の検討中。その他は未着手。 ・D、F、G、Hブロック:対策済。 |
地すべりの特徴 地すべり平面図 地すべり断面模式図 地下水流動経路図 |