国土交通省 所管 利田(かがた)地すべり | 福島県 |
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地すべりの概要 1. 地すべりの概要 利田地区での地すべり履歴は、古くは平安時代から記録が残っている。近年では、昭和28年8月にCブロックで発生した変動により、JR磐越西線が不通となっている。 当地区は、昭和48年7月に地すべり防止区域に指定され(面積91ha)、同年より調査を開始し、翌年より対策工事が実施されている。対策工は地下水排除工を主体とし、地下水貯留地域や集落地域、さらに末端部の阿賀川、JR磐越西線や県道付近の対策はほぼ完了している。平成16年度ではその周辺のブロックを対象として調査・対策が行われている。 2.地形・地質概要 当地区は、一級河川阿賀川の右岸(北側)に位置する標高200〜500mの斜面である。地すべり地西側面および北側頭部は先第三系の花崗岩と接し,急崖をなし、東側は断層と推定される急崖を形成し、これらの急崖で囲まれる緩斜面は馬蹄形をなす。 基盤地質は先述の花崗岩のほかに、花崗岩を不整合に覆う中新統利田層(泥岩)が分布し、さらに緑色凝灰岩類からなる荻野層が整合に覆っている。 堆積岩の地質構造は、花崗岩の隆起により側方部の花崗岩に近くなるほど、地層の傾斜が急になるドーム構造となっている。 3.素因・誘因 (1) 素因:花崗岩の隆起により堆積岩が変形し、擦痕や亀裂が生じて劣化するとともに、降水が浸透しやすい地質条件となっている。 (2)誘因:融雪や降雨による間隙水圧の上昇。 4.対策工 Bブロック、Dブロックにおいて、抑制工(地下水排除工)を主体に実施し、Bブロック末端の一部を除き、計画安全率が概ね達成されている。 今後は,Aブロックにおいて、地下水排除工を実施予定で、さらにCブロック、Fブロックの機構解析、対策工の必要性の判定を行うことになっている。 |
地すべりの特徴 利田地区地すべり平面図 地すべり機構模式図 |