地すべりの概要
1.地すべりの概要
敦賀市より西方に約80km、隣接する京都府舞鶴市との県境部に位置している。青葉山西端の山麓にその源を発して内浦湾に注ぐ砂防指定河川の明谷川左岸側に広がる39.47haの地区である。昭和28年〜34年頃の台風襲来や融雪などで多大な被害を被ったため、昭和34年に防止区域の指定を受けた。その後、対策事業完了後は一旦鎮静化していたものの、平成13年頃より地区内の各所で小規模な地すべり活動を伺わせる地盤変状が表出し始めた。
2.地形・地質概要
当該地区の地質は内浦層群と呼ばれる新第三紀中新世の堆積岩類(砂岩、泥岩、礫岩、凝灰岩他)を基盤岩とし、この上位を、青葉山火山の活動期に供給された安全岩質の火山性砕屑岩類が覆う。
内浦層群は,基盤層の最上面を構成するシルト質の泥岩層を除いて、全般に新鮮・硬質な状態にある。シルト質の泥岩層は、層上位部の風化が全体的に著しく、粘土状にまで土砂化したものから細片状に分離する岩片を主体とした軟岩部までの、いわゆる強風化帯が約1〜35mの層厚で分布する。
その上位を覆う砕屑岩類は、その全体がほとんど土砂状にまで劣化している。局所的に直径1〜2m大の火山岩類や硬質な溶岩を伴うもの、その基質は礫混り砂〜砂礫を主体とし、全体に火山灰質なシルト〜粘土分を多量に含む。
地質構造は、全体に内浦湾の方向に下る同斜構造で、北西−南東〜東−西走向・10〜20゚北傾斜という非常に緩やかな流れ盤構造にある。
3.素因・誘因
(1)素因:緩やかな流れ盤構造、強風化泥岩の分布。
(2)誘因:降雨および融雪、末端部の排水不良などによる地下水の上昇
4.対策工(案)
集水桝工、水抜きボーリング工、抑止杭工、明暗渠工、大型カゴ枠工
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