国土交通省所管 沢渡(さわたり)地すべり | 愛媛県 |
|
地すべりの概要 1. 地すべり地の概要 久万高原町役場の東南東約10 kmに位置し、対岸には高知市と松山市を結ぶ国道33号が走る。地すべり地は、斜面長約1,100 m、最大幅約1,000 m、最小幅300 mの規模で、標高360〜670 mの斜面で発生している。 A〜Eの5ブロックに大区分され、このうちA〜Dブロックについて調査・対策を実施している。昭和36年5月24日に指定、平成16年9月27日に追加指定され、合計面積は78.15 haである。 2. 地形・地質概要 地すべり全体の平面形状は、典型的なボトロネック形をなし、左右側端部を尾根地形に規制された凹状地形を呈す。勾配が概ね20°の緩斜面で構成されるが、凹状の馬蹄形地形や段差、急崖が複数認められ、地すべり活動による微地形が発達している。 地質は、北側の三波川帯と南側の秩父帯の境界にそってレンズ状に断続分布する御荷鉾緑色岩類と、それらを起源とする厚い崩積土が分布する。御荷鉾緑色岩類は、塊状の緑色岩、片理がやや発達した緑色片岩、片理が密に発達した緑色千枚岩の3種に分類でき、このうち緑色千枚岩は風化侵食に弱く、膨潤性の粘土鉱物が形成されやすい。不動基盤岩は主に緑色岩と緑色片岩で、上位には破砕状の緑色千枚岩と緑色岩・緑色片岩が互層状に分布する。 3. 誘因と素因 素因として、
4. 対策工 地表水の浸透防止と地下水排除を目的とした抑制工(水路工・横ボーリング工・集水井工)を主体とした対策工を実施している。 ソフト対策として、地盤伸縮計・地盤傾斜計・孔内傾斜計による従来の動態観測に加え、GPS(汎地球測位システム)を用いた地すべり観測システムを導入し、地表変動を監視している。 |
地すべりの特徴 沢渡地すべり断面図 沢渡地すべり平面図 |