国土交通省 所管      外野(そとの)地すべり 千葉県 
位置図


地すべり災害状況

「地すべり技術」掲載号:Vol.33,No.1(2006年7月,通巻97号)
地すべりの概要
1. 地すべりの概要

 外野地すべりは,千葉県房総半島南部の南房総市荒川地先で砂防指定河川平久里川水系荒川の上流部に位置する。昭和43年3月に地すべり防止区域にしていされ,地すべり対策工事が進められたが,平成4年に荒川左岸地域のCブロックの床固工の施工時に地すべり活動が活発化したため,平成5年度より平成15年度まではCブロックの地すべり対策事業が進められてきた。Cブロックの中の主なブロックであるC1ブロックは幅60m,長さ135m,最大すべり面深度10mである。

2.地形・地質概要
 嶺岡山地の標高150〜300mの丘陵地に位置し,平地部は荒川および支流に沿う狭い谷底低地部に位置する。主要な産地の稜線および水系は,地質構造を反映して東北東−西南西方向に延びている。
 本地域は,房総半島南部を東西に延びる嶺岡隆起帯の中軸部西縁に位置し,嶺岡層群が荒川の左岸地域に広く分布する。嶺岡層群は,硬質頁岩および硬質頁岩細粒砂岩互層からなり,全体的に著しい破砕構造を有し,断層に沿って蛇紋岩・玄武岩の貫入を伴う。Cブロックの地質は,嶺岡層群を不整合に覆っている三浦層群の大崩層および中尾原層に対比される含礫泥岩と泥岩およびこれらに挾在する玄武岩溶岩を基盤岩としている。

3.素因・誘因
(1) 素因:泥岩上面の粘土化部,基盤岩の泥岩の破砕構造,長年の地すべり活動で堆積した崩積土。
(2) 誘因:末端部の渓岸浸食,降雨,地下水位の上昇。

4.対策工
 浸食防止工,横ボーリング工,抑止杭工

地すべりの特徴
 地すべり平面図
 地すべり断面図