千葉県林務部 所管 下沢(しもさわ)地すべり
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地すべりの概要 1. 地すべりの概要 下沢地区は、標高90〜150mの安房丘陵に位置し、志駒川による浸食・地形解析が進行し30〜45゜程度の比較的急斜面が形成されている。 2.地質概要 下沢地区には、新第三紀の木の根層が分布する。木の根層は、泥岩を主体とし細粒砂岩および白色凝灰岩を挟み、露頭すると容易に風化し粘土化する。このため木の根層の分布域には多くの地すべりが発生している。 紹介する地すべりブロックの位置する斜面には背斜軸が存在し、地すべりは流れ盤構造になっている。また、地すべり斜面を取り囲むように弾性波探査による低速度帯が存在する。 3.地すべり状況 @斜面中腹部に最大3m程度の落差を伴う連続した亀裂が発達する。 A亀裂の東側延長上には、崩壊地形(C崩壊地)が認められる。ただし、亀裂より古いと見られる。 B斜面西側末端にも崩壊地(A崩壊地)が認められる。 CA崩壊地の東側に隣接する斜面は不安定であり、渓流に土砂が押し出している。 D地すべり移動層は強風化層底面までであり、円弧形近似の曲線地すべり面であると考えられる。 4.地すべり発生機構 地すべりは、斜面脚部の渓岸浸食に起因して崩壊が発生し、斜面が不安定化した。また、自由地下水の影響により斜面上方へと後退性の地すべりが拡大発生し、継続的に滑動している。 5.対策工法 現状安全率をFs=1.00とし、目標安全率をFs=1.10以上とする。対策工法は、適用性・施工性・経済性・環境調和性を考慮し、アンカー工法を採用し、崩壊地の対策とし「現場打ちのり枠工」と「緑化工」も導入した。また、斜面末端の渓流に対して渓岸浸食防止、渓床勾配の安定を図る必要があり、護岸工・谷止工も導入した。 |
地すべりの特徴 調査平面図 地すべり断面図 |
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