青森県土木部所管 磯山地すべり | 青森県 |
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1.地すべりの概要 磯山地すべりは、津軽半島陸奥湾に面して南北に延びる海岸線、磯山地域蟹田よりに11.7haの規模で認められる。地すべり地周辺の地形は海岸に平行に標高200〜300mの津軽山地山脚部の稜線が走り、その東麓は陸奥湾に沿った海成段丘が幅狭く分布する。地すべりはこの山麓部から段丘にかけて発生したとみられ、地すべり地形の前半部は、海成段丘と崩積土の堆積面となり、この部分には畑地や民家・国道などの保全対象が立地する。 地すべり地は、海岸に面するAブロックとワカメ沢に面するBブロックに大別され、海、沢の侵食、とりわけ洗堀を受けやすい位置にある。地すべり変動の起源は、古く遡ると見られる。従来緩慢な変動が知られていたが、昭和36〜38年に行われた対策工が現在は破壊され、また昭和43年の十勝沖地震の際は、蟹田よりの国道の滑落、周辺集落、家屋への被害も見られた。 2.地形・地質 磯山地すべりは、地形的には2〜3個の小規模な地すべり地形が接して分布し、それらが一括されて防止区域の指定を受けていると考えられる。これらの地すべり地形は稜線付近に発達する、馬蹄形の明瞭な主滑落崖とその前方の移動体で構成されるが、移動体は小規模な崖で更に多数のブロックに分割され、その一部は国道229号線からも眺めることができる。空中写真判読による微地形の概査でも、これら移動体は複数のブロックで構成されると見られ、マルチブロックスランプの動きを呈するものと想定される。 地すべりの地質は、新代三紀中新世の小泊層(泥岩・頁岩・凝灰岩・砂岩などの堆積岩互層)と貫入岩である粗粒玄武岩からなり、地すべり地西方に軸を持つ背斜の東翼、陸奥湾に面した流れ盤にあたる。 3.素因・誘因 (1)素因 1) 海・沢の侵食作用 2) 地質的流れ盤構造 (2)誘因 地下水位の上昇(豪雨等) 4.地すべり対策工事 地下水排除工、表面排水工、護岸工(海岸浸食防止) |
地すべりの特徴 (1)周辺の地すべり地形 |