地すべりが発生すると、地すべりの上部にはたくさんの開いた亀裂ができます。 亀裂を開いたまま放置すると降雨や融雪等の地表水が亀裂から浸透して、地すべりが再発します。 浸透防止工は降雨や融雪等の地表水が地下に浸透しないようにする工法です。 浸透防止工には、亀裂箇所に粘土やコンクリートを充填する「充填工法」、亀裂箇所をシート等で被覆する「ビニール被覆工法」、地表面を不透水性材料で被覆する「漏水防止工法」などがあります。 ここでは施工が容易で、採用事例の多い「ビニール被覆工法」について説明します。 浸透防止工(ビニール被覆工法)は主にブルーシートで開いた亀裂を覆います。使用する材料は、ブルーシート、アンカーピン、土のう、ロープ等を使用します。 作業の手順としては、開いた亀裂を覆うようにブルーシートを敷きます。 ブルーシートの頭部、側部をアンカーピンで止めます。ブルーシートは順次、隙間がないように重ねて敷きます。次に、ブルーシートが風により飛ばないように土のうを置いたり又は土のうをつり下げたりします。 土のうをつる場合はつる長さはできるだけ互い違いになるように設置します。 ここで注意しなければいけないことは、ブルーシートで集めた水が再び地すべり地に流れ込むとブルーシートの下部で地すべりが発生しやすくなるので、これを防ぐため、ブルーシート下部に水ためや、ためた水を地すべりの外に流す水路工、排水管を設置します。 写真1 シートによる被覆 ※1 図1.浸透防止工 写真.2.シートによる被覆と素堀水路 ※2 写真.3.泥ためと地すべり地外への排水路※3 ※1. 社団法人斜面防災対策技術協会富山支部「山田沢連災害」2010.11.6より ※2.3. 北海道森林管理局「芦別市野花南地すべり対策に関する技術検討書(その2)」より
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