1.工法の概要
大規模暗渠工(木枠栗石詰工)は,浅層地下水の排除を目的とした工法で,2列に打設した杭木の間を掘削し,杭木に控木,横木を取り付けて組み立てた木枠内に栗石を詰めた暗渠工である。構造は図.1に示すように,杭木の長さ4.0m,打設間隔1.0m,暗渠深さは2.0mが一般的である。
千葉県鴨川市周辺の地すべり地帯ではメインの地すべり対策工として数多く採用されており,対象ブロック全体に大規模に配置される。標準的な深さ2.0mの暗渠工設置により,千葉県八丁地すべりで行われた試験結果では,斜面上方11m,下方8mの範囲内で地下水位低下が認められている。このため,大規模暗渠工(木枠栗石詰工)は,概ね20m間隔で配置されることが多い。
図.1 大規模暗渠工(木枠栗石詰工)の構造
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