集排水ボーリング洗浄工
制作:(株)日さく

1.目 的

 集排水ボーリングは経年変化により、保孔管およびストレーナ外周部にスケールが発生し、それが目詰まりの原因となり、集水機能を著しく低下させていることがある。そのため、集排水機能回復を目的として高圧水で集排水ボーリングの洗浄を行う。

2.施工方法

 集水ボーリングの洗浄回数は3〜4回、排水ボーリングの洗浄回数は2〜3回行うことが多い。

1)準備工
(a)洗浄前の各孔の湧水量を測定・記録する。
(b)検尺棒を用い、各孔の深度検尺を行うと同時に各孔のスケール付着状況、孔内の詰り状況等を調べる。

2)洗浄工
 ここでは4段階の洗浄方法について説明する。
(a)高圧ポンプ(吐出圧力10〜30 Mpa、吐出量40〜80 l/min程度)を用いて、次の4段階の洗浄を行う。
第1段階:
 噴射穴、直方1個、斜後方30度が10個で超高圧水を噴射する。孔内がどうように目詰まりを起しているのか判断するために効果的なノズルである。吐出圧力15〜30 Mpa、吐出水量40 l/min。
第2段階:
 噴射穴、直方1個、斜後方45度が12個で超高圧水を噴射する。第1段階に比べ水量・水圧ともに大きく、孔内の土砂を完全に洗浄することができる。吐出圧力10〜30 Mpa、吐出水量70 l/min。
第3段階:
 噴射穴、斜後方45度が12個で超高圧水を噴射する。水量・水圧ともに大きく、ストレーナ内側を完全に洗浄することができる。吐出圧力15〜25 Mpa、吐出水量60〜80 l/min。
第4段階:
 噴射穴、真横8個、斜後方45度が12個で超高圧水を噴射する。ストレーナ部分に直接あたるため、ストレーナ外周部の洗浄を完全にし、良質なフィルター層を形成し、集水効果を高めることができる。吐出圧力10〜250Mpa、吐出水量60〜80 l/min。

(b)各段階の洗浄時間は概ね10〜20分を標準とし、スケールの排出状況と排水色を観察しながら、入念に行う 。排水の濁りがとれた段階で完了とする。

3)完 了
 洗浄完了後は、湧水量の測定および検尺棒を用い、深度検尺を行う。