2.斜面防災分野における写真計測技術の応用
1.で述べたように、市販のカメラとパソコンを用いた計測技術の普及により、斜面防災分野では、急斜面のため直接的な計測が困難であること、局部的な計測では斜面全体の変位が捉えにくいこと、急斜面であるため被写体として全体を捉えやすいことなどから、岩盤斜面、法面や構造物の変位計測などに本技術が用いられることが多い。また、経時的に撮影を行うことにより、時系列の変位が計測できる。また、空中写真を用いる場合は、より広範囲な地形の変化が捉えられるため、地すべり地の変位や河川、砂防や海岸分野における地形変化、土量の算出等についても応用されている。
3.計測上の留意点
写真計測における計測精度を高めるためには、一般的には撮影対象物をある程度角度を持たせて、なるべく多くの画像を撮影することや、画像内にターゲット(基準点)を複数設ける必要がある。
(参考文献)
「デジタル写真測量の理論と実践」,平成16年,(社)日本写真測量学会 動体計測研究会編
「光学的全視野計測技術による建設構造物の劣化・変状メカニズムの解明と診断法の開発」,平成19年,平成17〜18年度科学研究費補助金基礎研究(B)研究成果報告書,代表研究者 松田
浩
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