平成26年度「子供防災教室(立山カルデラ砂防勉強会)」開催
富山支部では、常願寺川流域の小学生を対象に、自分たちが生活している土地や、人の安全のために行われているカルデラ内での防災事業を勉強し、常願寺川の自然や砂防・治水など、斜面防災の大切さに関する教育の向上を目的として、「子供防災教室(立山カルデラ砂防勉強会)」と称した体験学習の場を企画し、昨年度に引き続き今年度も下記要領で開催いたします。
〇実施日 平成26年9月12日(金)
〇場 所 立山カルデラ(富山市、立山町)現地
〇参加対象者 富山市立上滝小学校6年生
(生徒31名、教員2名、保護者1名、案内・随行5名、合計39名(予定))
〇主 催 一般社団法人 斜面防災対策技術協会富山支部
<協 力> 富山県、国土交通省北陸地方整備局立山砂防事務所
〇行 程
上滝小学校(8:30発)⇒立山カルデラ砂防博物館⇒立山砂防事務所⇒<トロッコ>⇒水谷平(昼食)⇒ 白岩右岸対策トンネル⇒白岩砂防堰堤(国指定重要文化財)⇒六九谷展望台⇒立山温泉跡地⇒跡津川断層⇒有峰記念館⇒上滝小学校(16:30着)
【立山カルデラとは】
カルデラは主に火山の活動によって形成されるもので、世界有数の巨大カルデラである阿蘇カルデラが有名ですが、立山カルデラは東西約6.5km、南北約4.5km、標高差が500~1700mもある巨大なくぼ地で、激しい侵食作用によって拡大してできた侵食カルデラといわれています。 立山カルデラ内では、これまで度々崩壊して土砂をため、その土砂が大雨の度に下流域に流れ出して大きな災害をもたらしてきました。
安政5年(1858)の地震では、常願寺川上流の立山カルデラ内で4.1億立方メートルの大崩壊が発生し、その土砂が土石流となり下流の富山平野で140名の死者を出しました。未だその半分の2億立方メートルがカルデラ内に堆積しており、今日の荒廃の原因になっています。常願寺川では大雨が降るたびに、富山平野に土砂を流す暴れ川となり、砂防事業は明治39年(1905)富山県で着手し、大正15年(1926)国の直轄事業に移され、現在も、富山平野を土砂災害から護るため、劣悪(不便、危険)な環境の中で、多くの人たちが働いています。
富山県では、「立山・黒部」の世界文化遺産登録を目指し、カルデラ内の立山砂防を中心に国際的な評価の検証・確立等に取り組んでいます。11月3日には世界遺産登録推進国際フォーラム2014「立山砂防と世界の防災遺産」を開催し、富山支部ではこのフォーラムに後援しています。
<白岩砂防堰堤にて>