斜面防災技術

雪崩対策とは

 雪崩対策には、ハード対策とソフト対策があります(図1参照)。ハード対策は様々な施設により、雪崩の発生を防止したり、発生した雪崩の流下を阻止または誘導したりするものであるのに対して、ソフト対策は雪崩の発生を予知し、被害を回避するために危険区域図を作成し、それに基づき集落での警戒・避難体制の整備や土地利用の制限を行ったり、道路での通行止めを実施したりするものです。膨大な数の雪崩危険箇所に対して防災対策を行う上で、ハード対策とソフト対策とを適正なバランスで組み合わせた統合的な対策を実施していくことが必要となります(文献1)。

雪崩対策

 雪崩防災対策を行うにあたっては、対象領域を調査する必要があります。その調査項目や検討プロセスは集落保護を目的としたものも、道路に対するものも基本的には変わりません。しかし、集落保護の雪崩対策は、民家や公共建築物を保護し、人的被害の回避を優先するものであり、道路などの雪崩対策はその施設と機能の維持を目的としているため、対策自体は変わってきます(表1参照)。

表1 雪崩の発生場所の違いによる対策の目的
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