都道府県名

   山形県

  面積

9,323.46km2

 人口

   115万人

地形

・山形県は、西に日本海、東に蔵王連峰、北に鳥海山系、南に飯豊朝日連峰系の山々に囲まれている。

・県土のうち75%が山地、農地が15%、その他が10%である。

・本県の地形は山地・丘陵・および盆地が南北につらなる帯状配列している(地形区分図)

・県東側より、(1)宮城県との分水嶺となる奥羽脊梁山脈、(2)北から南に並ぶ新庄、山形、米沢の盆地群、(3)県中央部を南北に走る出羽丘陵、(4)日本海側に広がる庄内平野、(5)新潟県境一帯の越後山脈から構成される。

・最上川(全長224km)は、奥羽山脈と出羽丘陵の間の盆地群を縫うように県南から北西部の庄内平野に貫流している。

地質


・本件の地質を山形県の地質図に示す。
・東北日本内帯に属し、秋田県、福島県の内陸、新潟県、などとともにグリーンタフ地域に属し、グリーンタフ(緑色凝灰岩)と呼ばれる新第三紀の海底火山に由来する凝灰岩が厚く広く堆積している。
・奥羽脊梁山脈の地質は、花崗岩類、新第三紀中新世〜鮮新世の堆積岩類と火山岩類によって構成される。
・盆地群は、東西を活断層により遮られ、南北に長い楕円形を呈する。第三紀の堆積岩類を基盤岩とし、その上位に湖沼、河川堆積物が厚く堆積している。
・出羽丘陵は、新第三紀中新世〜鮮新世の堆積岩類と花崗岩類を基岩とし、その上部は鳥海山・月山などの安山岩質火山噴出物(更新世後期~完新世)で覆われる。丘陵沿いでは南北に走る構造線が無数に確認され、地すべり発生と深い関連性を示している。
・新庄盆地周辺の台地は、更新世の珪質火山活動の噴出物(火山灰(シラス)・溶結凝灰岩)で構成されている。
・庄内平野は、最上川・赤川の河口に広がる平地で、海岸線に沿って砂丘が発達する。新第三紀中新世〜鮮新世の堆積岩類を基岩とし、繰り返し堆積した海成堆積物と河川堆積物が複雑に覆っている。
・越後山脈の朝日、飯豊山はほとんどが花崗岩により構成されている。一方、温海周辺では花崗岩、堆積岩、火山岩類等の多種の岩層が幾条もの構造線と共に筋状に南北方向に分布する。

気象

・日本海式気候区に属し、出羽山脈・越後山脈によって内陸と庄内に区分される。

・年平均降水量は、内陸地方の山形市で1,170mm、米沢市で1,449mm、庄内地方の酒田市で1,953mmである。

・越後山脈や県北の鳥海山周辺では著しく年平均降水量が多く3,0004,000mmに達する。

・本県の気候的特徴

(1)春の東風・南風による異常乾燥・豪雪地帯の急速な雪解け。

(2)梅雨時における鳥海、朝日、飯豊山地などの局所的豪雨。

(3)内陸盆地の夏期の異常高温。

(4)庄内地方における冬期の北西季節風に伴う吹雪。山間部では積雪深が6mに達する。

(5)置賜・最上地方を中心とした豪雪。

その他特徴

・本県の産業に占める農林業の位置は高い。

・水稲、果樹の生産量は、全国でベスト5に入る。

・県の観光資源は、山・温泉・文化遺産などである。

地すべり分布と特徴

地すべりの分布は、県全域に及んでいる(地すべりの分布図農地地すべり区域の分布図)

・地質構成を反映し、グリーンタフ地帯に発生する地すべりと位置付けられる。

・地すべりの大部分は、中新世〜鮮新世の堆積岩類内で発生している。
・地すべりに発生域は、新庄盆地周辺地域、山形盆地周辺地域、小国・米沢文治周辺地域、越後山脈北部地域、月山西方山麓地域、奥羽脊梁山脈西側地域に大別される。

対策事業の実施状況

・本県の地すべり防止区域の箇所数および面積は以下のとおりである(199711月現在)。

所管区分

地すべり防止区域

区域数(箇所)

面 積(ha)

国 交 省

       76

4,334.55

農村振興局

       42

2,897.93

林 野 庁

       72

6,150.47

合 計

       190

13,382.95

※平成25年現在、農村振興局は41地区2,891haとなっている

掲載号(「斜面防災技術」に紹介された地すべり地)

Vol.20  No.3 19943 月通巻60号:小清(こせ)地すべり、山の内地すべり、折渡地すべり(林野庁所管)

Vol.24  No.2 199711 月通巻71号:天狗森地すべり、滝の沢地すべり、中岫(なかぬき)地すべり(構造改善局所管)

Vol.39  No.3 20133 月通巻117号:大舟木第二地区、滝の沢地すべり(農村振興局所管)