都道府県名 |
奈良県 |
面積 |
3,700km2 |
人口 |
142万人 |
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地 形 |
奈良県は、日本の中央部、近畿地方のやや南よりの紀伊半島の中央部に位置し、周囲を大阪府、京都府、和歌山県および三重県に接する内陸県である。南北約103km、東西約65km、面積約3,700kmで、吉野川(紀の川上流)を境に北側に奈良盆地があり、盆地の周囲は生駒・金剛山地、竜門山地・宇陀山地・大和高原がある。南部は、近畿の尾根といわれる標高千数百メートルに達する山岳地帯が広がり、県面積の3分の1を占める。 |
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地 質 |
県のほぼ中央部を東西に貫通する中央構造線により、西南日本の外帯(南部山地)、内帯(北部低地)とに大きく分けられる。内帯は領家帯と和泉帯に区分される。和泉帯は県の中西部端に一部分布し、岩相は砂岩・泥岩・礫岩互層からなり、領家帯とは不整合ないし断層関係で接する。領家帯は県北部に広く分布し、花崗岩や花崗片麻岩類からなる。外帯は、三波川帯、秩父類帯および四万十帯に区分される。時代は南の方が新しく、東西につながる地層が北側に傾斜し、瓦を重ねたような構造をなして付加体が分布している。 |
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気 象 |
「奈良県の年降水量の分布」に示す。 気候区分によると、吉野川を境として南部は山岳性気候、北部は盆地で、内陸性気候となる。東部山地は、内陸性気候と山岳性気候の特徴を兼ねている。すなわち南部の山地は、夏は降雨が極めて多く、時には局地的豪雨が起こり、冬は厳しい冬山の様相を呈し、積雪もかなり深くなる。一方、北部盆地部は概ね降雨は少なく、夏は蒸し暑く冬は底冷えが厳しい。 地形の複雑さによる大雨、河川の氾濫、山・がけ崩れ等の災害と局地的な強風が目立つ。また、山間部での夏の干ばつ、冬の放射冷却による異常低温、霜および霧の発生等の気象災害も発生する。 |
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その他特徴 |
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地すべり分布と特徴 |
県内には国土交通省所管の地すべり危険箇所が106箇所あり、県ほぼ中央部東西に位置する中央構造線を境に北部は主に崩壊性地すべり、南部は主として破砕帯地すべりとなっている。地すべり危険箇所の分布を地質的な観点から整理すると、以下のようになる。 ・
領家帯分布域:花崗岩と変成岩類が分布し、崩壊性の地すべりが見受けられる ・
三波川帯分布域:結晶片岩が主体で分布し、小規模な地すべりが多く見受けられる ・
秩父帯分布域:断層や亀裂に沿った弱線の影響から、比較的小規模な地すべりが見られる ・
四万十帯分布域:断層や褶曲等の影響から複雑な地質構造を呈しており、全体に崩壊性の規模の大きな地すべりが発生している。 第三紀層分布域:室生火山岩で発生している地すべりは、溶結凝灰岩の裂か水からの地下水供給により地すべりが発生するキャップロック型である。 |
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対策事業の実施状況 |
所管区分 |
箇所数 |
区域面積(ha) |
平成19年3月31日現在の県の地すべり防止区域は左表の通りである。
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国土交通省 |
47 |
715.46 |
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農村振興局 |
0 |
0 |
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林 野 庁 |
2 |
42.26 |
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合 計 |
49 |
757.72 |
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掲載号(斜面防災対策技術に紹介されている地すべり地) |
Vol.35,No.1 2008年,通巻103号 :奈良県の地すべりー土木部砂防課(国土交通省所管)における地すべり対策について | ||||||