都道府県名 |
熊本県 |
面積 |
7,409km2 |
人口 |
172万人 |
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地形 |
・ 熊本県は北部、東部および南部の三方を数100〜1,700mの山地に囲まれており、宮崎県との県境には九州の脊梁をなす九州山脈が走り、最高峰の国見岳(1,739m)、市房山(1,722m)を主峰に十数座の山岳が連座している。 ・ 県中央部には菊池川、白川、緑川流域に熊本平野が開け、日本三大急流の1つである球磨川とその他の中小河川の流域に開ける八代平野とともに平坦地を形成している。 ・ 複式火山として世界的に有名な阿蘇山は、県の北東部に位置し、陥没によってできた南北約24km、東西約18kmの巨大カルデラの中央部にいわゆる阿蘇五岳がある。 ・ 県の北部には、八方ヶ岳(1,052m)があり、また、福岡、大分および本県との境には国見山(1,018m)がそびえ、県南部は一帯に急峻かつ広大な山地からなり、九州山脈に連なる山岳が相重なっている。 ・ 熊本平野の西方に宇土半島が突き出て有明海と不知火海とに分け、宇土半島の南西には大小20余りの島からなる天草諸島が散在している。 |
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地質 |
熊本県にはさまざまな年代の地質・岩体が分布している。 l 県中央部は、中央構造線の西方延長と考えられる臼杵−八代構造線が北東−南西方向に横断する。熊本県の地質構造はこの構造線を境に南北で大きく異なる。 l 北側の西南日本内帯は、阿蘇火砕流堆積物によって不明瞭であるが大分−熊本構造線で三群帯と肥後帯に区分される。 ・ 三郡帯は、変成岩や深成岩類・火山岩類で構成される。 ・ 肥後帯は変成岩類とペルム紀・白亜紀等の堆積岩で新規火山岩類に覆われる。変成岩類は花崗岩類の貫入を受ける。さらに熊本平野や八代平野といった沖積平野も広がっている。 l 南側の西日本外帯は、仏像構造線で秩父累帯と四万十累帯に区分される。 ・ 秩父累帯は大分県の臼杵南部から熊本県南部の球磨川流域にかけて、東北東−西南西方向の帯状の地域で、臼杵−八代構造線とほぼ平行して分布し、北部の黒瀬川構造線と南部の三宝山帯とに2分される。両帯とも海成堆積物で構成され低度広域変成作用を受ける。 ・ 四万十累帯は、仏像構造線の南に位置し、主に白亜紀〜古第三紀、一部に新第三紀の堆積岩累が分布する。これより南の鹿児島県境付近には新生代の安山岩類が分布する。 l 天草諸島の基盤地質は、肥後変成岩類、領家花崗岩類および西端の高浜変成岩類で、これを白亜紀から第三紀の堆積岩類が覆う。 |
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気象 |
・ 昭和28年6月の白川大水害、平成2年の阿蘇地方の大水害、平成3年、5年の梅雨前線災害・台風災害、6年の干ばつ、さらに15年の県南部を襲った梅雨前線豪雨災害などの災害履歴がある。 ・ 梅雨時期は主に県北部、中部地域が多雨地域となって白川、菊池川、緑川水系に豪雨をもたらす。 ・ 台風時期は南部山岳地域に雨が多く、台風の進路如何によって球磨川などの諸河川が豪雨出水をもたらし、特に天草地方は強風域となる。 ・ 主な気象災害は、以上の気象特性と各河川の水源地域における地盤の脆弱性、森林の過伐による山地荒廃および海岸線における潮位の著しい干満の差、その他の諸要因が重なって起こる。 ・ 阿蘇火山は、昭和54年の大噴火以来状況は落ち着いているが、研究観測を継続中。 |
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その他特徴 |
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地すべり分布と 特 徴 |
熊本県の地すべり地帯は次の4地域に大別され、それらの特徴を次に記す。 @ 天草諸島の第三紀層分布地域 「第三紀層地すべり」の多発地帯。地表傾斜20〜30°、すべり層厚10〜15mのものが多い。流れ盤の地すべりが多く、岩盤すべりや風化岩すべりであることが特徴である。 A 臼杵−八代構造線沿いの破砕帯地域 典型的な「破砕帯地すべり」が分布する。臼杵−八代構造線と南側の大阪間構造線に挟まれた秩父帯で多く発生。大規模なものが多く破砕の著しい岩盤およびこれを供給源とする崩積土、地下水を賦存しやすい地形・地質条件等を発生要因とする。 B 阿蘇北部一帯の温泉地域 「温泉地すべり」が発生している。火山活動が活発な阿蘇から久住にかけて数カ所の温泉地すべりが分布する。 C 県北部の変成岩地域 「破砕帯地すべり」が点在する。断層・褶曲および貫入岩により複雑な地質構造となり、岩盤の破砕が進行し地すべり素因となる。 |
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対策事業の 実施状況 |
熊本県内の地すべり危険個所の数は、110か所であり、所管ごとの内訳は以下のとおりである(令和4年)。
出典:熊本県地域防災計画 |
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掲載号(「斜面防災技術」に紹介 された地すべり) |
第55号:九州支部の現状と今後の展望(座談会) 第93号:熊本県の地すべり-森林保全課(林野庁所管)における地すべり対策について(報文) 第94号:九州支部の活動状況と新時代の運営(座談会) 第137号:熊本県の斜面防災-熊本地震で発生した地すべりの対策について-(報文) |